自律神経のうち「交感神経」が活発になると、脇汗(というか汗全体)の分泌も多くなります。
汗がたくさん出る原因のひとつとして考えられるのが、自律神経の乱れ。交感神経と副交感神経がバランスよく切り替わるのが理想ですが、ストレスにさらされていたり不規則な生活が続いたりすると、このバランスが崩れてしまいます。交感神経ばかり優位に働いて、副交感神経が上手に働かなくなるのです。
逆に言えば、副交感神経が正常に働いてくれるようになれば、ひどい発汗も抑えられるというわけですね。
そこでここでは、脇汗を抑えるための方法として、副交感神経を高めると言われている食べ物をご紹介していきます。
Contents
交感神経が活発になりすぎる=汗の量も増える
交感神経が活発になると汗の量も増えます。なので、汗を抑えるためには副交感神経を高める働きを持つ食べ物を積極的に摂ることが有効でしょう。
ただし、食べ物での改善は即効性のあるものではありません。今日食べたら明日脇汗が止まるというわけではないので、少し長い目で取り組んでみましょう。自律神経を整えることは脇汗の抑制効果だけではなく、体の調子にも心の調子にもプラスの作用がありますよ!
副交感神経を高める食べ物は?
副交感神経を高める働きがある代表的な食べ物をご紹介します。とは言っても、特殊な食べ物はひとつもありません。どれも近所のスーパーで日常的に買うことができるものばかり。
いつもの食事にちょっとだけプラスしてみてはいかがでしょうか。
ギャバを含む食べ物
ギャバは天然アミノ酸のひとつ。抑制系の神経伝達物質として、イライラを抑えたり、血圧の上昇を抑えたりといった「鎮静作用」を持つのです。ストレスをやわらげて気持ちを落ち着かせてくれる物質です。副交感神経というのは「リラックス系」の神経なので、ギャバを摂って心がゆったり落ち着くことで副交感神経が優位な状態になります。
ギャバというと耳慣れないと思う方もいるかもしれませんが、発芽玄米や、カボチャ、アスパラガス、トマトなど意外と私たちの身近な食べ物に含まれているんです。
最近ではギャバのサプリもたくさん発売されているので、手っ取り早くサプリで補給してもよいでしょう。
セロトニンを増やす食べ物
セロトニンとは、重要な脳の神経伝達物質のひとつ。ドーパミンやノルアドレナリンといった興奮系の神経伝達物質とは反対に、心を鎮める働きを持ちます。
セロトニンが不足すると、精神が不安定になって怒りっぽくなったり、よく眠れなくなったり、緊張がなかなかほぐれなくなったりします。交感神経が活発になっている状態ですね。
なので、セロトニンを増やすことは交感神経を抑えて副交感神経を高めることにつながります。
セロトニンを作るためには、「トリプトファン」という必須アミノ酸+ビタミンB6の組み合わせが必要になります。トリプトファンは、大豆製品(豆腐、豆乳、納豆、枝豆など)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)、ナッツ類、魚卵(タラコなど)等に多く含まれています。ただしトリプトファン単体ではセロトニンを作ることはできないので、ビタミンB6を一緒に摂るようにしましょう。ビタミンB6は、ニンニク、マグロやカツオ、レバーなどに多く含まれています。
ちなみに、バナナにはトリプトファンとビタミンB6の両方が含まれているので、セロトニンを増やしたいなら手軽に食べられるバナナは特にオススメです。
イソフラボン
女性ホルモンのエストロゲンと似たような働きをする「イソフラボン」。納豆や豆乳、豆腐などの大豆製品に多く含まれています。
更年期の女性は、エストロゲンが急に減少するためにホルモンバランスが崩れ、それによって自律神経が乱れることで多汗の症状が出ることがあります。
このように、エストロゲンが足りなくなると、自律神経のバランスまで崩れてしまいかねないのです。そこで、エストロゲンの代わりとして「イソフラボン」を体に取り入れることで、ホルモンバランスを取り戻し、自律神経を整えることができるというわけです。
大豆製品には、セロトニンを作るトリプトファンもたくさん含まれているので、副交感神経を高める効果はかなり期待できますね。
食物繊維の多い食べ物
副交感神経は、食べ物を消化しているときに優位に働きます。食物繊維は消化に時間がかかるため、必然的に副交感神経が優位になる時間が増えるというわけです。
食物繊維が豊富に含まれる食べ物には、玄米や豆類、きのこ類、海藻類などがあります。
中でも発芽玄米には食物繊維だけでなく、上に挙げた副交感神経を刺激するギャバという成分も含まれているので、かなり効率よく副交感神経を高めてくれる食べ物と言えます。
酸味が強い食べ物
お酢や梅干し、レモンなどの酸味が強い食べ物は、副交感神経を刺激してくれます。
人間の体は酸っぱいものを自然と「毒である」と認識するようです。酸っぱいものを食べると反射的に唾液がたくさん出ますよね。これは、毒を唾液で薄めるという防衛本能なのです。そして、こうした反射は「副交感神経反射」と呼ばれ、副交感神経が活発な状態になるのです。
汗が多く出る暑い夏に、レモンや梅干し・酢の物などを食べるというのはものすごく理に適っているわけですね。さっぱり食べられるという気分的な面だけでなく、制汗にも力を発揮してくれるのですから。
いつもの食事を少しだけ意識して、脇汗を抑える体作りを!
あれもこれも食べなくちゃ...と極端に意識して食事をする必要はありません。「食べなくちゃ、食べなくちゃ!そうしないと脇汗が改善しない!」なんて自分にどんどんプレッシャーを与えるようになってしまうと逆にストレスがたまってしまいます。
副交感神経を高める食べ物を食べることがストレスになってしまっては、元も子もありませんよね。
まずは、ここに挙げた食べ物の中で自分の好きな食べ物はあるか見てください。そして、思い出したときにそれをいつもの食事にちょっとだけ追加してみましょう。
「納豆好きだから、1日に1回は納豆かけごはんを食べよう」とか、「お弁当に梅干しを入れよう」とか、「間食をバナナにしよう」とか、「今日のランチは白米を玄米ごはんに変えよう」とか、そのくらいの軽~いかんじでいいんです。
継続は力なり。いつの間にか、気づいたら脇汗の量が減っているかもしれませんよ!